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転ばぬ先の杖

「転ばぬ先の杖」この言葉は子育てや教育においてよく用いられる言葉だと思います。

昔からこの言葉には違和感を感じて仕方ありませんでした。

その違和感というのは、主語が誰なのかという部分です。

私の考えでは、主語は「自分」です。

要するに、自分の身は自分で守れという意味だと捉えています。

決して、誰かの失敗経験を奪う言葉ではないと思います。

 

子ども達が間違わないように入念な事前指導

昔は私もやってました。

指導者としてまだ新人時代は事前指導が全てという教えだったので、子ども達が指示通りに動けないのは事前指導ができてないから。という評価を受けました。

これ自体に間違いはないのですが、でもこれは指導者に対する評価であって、子ども達にはなんの関係もない話なんじゃないの?と疑問でした。

 

いかにシンプルにわかりやすく1〜10を伝えるか。これを日頃から徹底して指導していました。

でも、今は、1〜6ぐらいを伝えて、残りの4を子ども達が考えて行動に移して、その結果どうだったのかを振り返る材料にしています。

 

言われたことだけをやる人間にはなってほしくない。という思いです。

 

そのためなら、私の評価が下がろうがそんなもの関係ありません。

 

だって、スクールの時間もコーチがいるのも、全て子ども達のためですから。

 

でもここで反論が来るのが、子どもが怪我でもしたらどうしてくれるんですか!?という声です。

大前提で、大怪我のリスクヘッジは別の思考回路でできています。

むしろそれが確保されていての練習です。

 

でもバスケをやっていて突き指もしたことなければ、青タンができたこともないというのもどうなんでしょう??笑

 

私が好きな医療ドラマで先生がこんなこと言ってました。

「子どもはよく怪我をするけど、その分治りも早い。それは、何度も怪我をすることで、痛みを知るためだって。それで他人の痛みも理解できるようになる。だから治る怪我ならたくさんした方がいい。」

まさにこの言葉です。

 

子ども達が転ばないように考えるのが大人の役目じゃなくて、転んだ時に起き上がれるように見守ってあげることではないでしょうか。