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指導者に資格は必要ない

指導者の資格について、「資格は必要ない」という批判的な見解を以下にまとめます。

 

私個人の考え方は、現状の資格のあり方やそれを扱う風土など総合的に考えて、「今の」資格は不必要だと考えます。

 

資格ビジネスや資格コミュニティにだけ強みを発揮しているこの現状はあまりにもおかしいと考えます。

 

「資格は必要ない」という立ち位置での見解を挙げていきます。

 

1. 経験と実践が最も重要であるという考え方

現場での経験: 多くの指導者は、自らが選手として、あるいはチームの一員として長年の経験を積んでいます。この実践を通じて得られる知識、直感、そして人間関係の構築能力は、座学で得られる知識よりもはるかに価値があるという考え方です。

OJT(On-the-Job Training): 実際の指導現場で、経験豊かな先輩指導者から直接学ぶことの重要性を強調します。これは、教科書や講義では伝わりにくい「暗黙知」や「勘所」を習得する上で不可欠とされます。

 

2. 人間性とコミュニケーション能力こそが本質

人間的魅力: 選手やメンバーの心をつかみ、モチベーションを引き出す能力は、資格の有無とは無関係です。熱意、誠実さ、公正さといった人間的な資質が、チームや組織を成功に導く上で最も重要だと考えられています。

対話と傾聴: 優れた指導者は、一方的に指示を出すのではなく、相手の意見に耳を傾け、対話を通じて信頼関係を築きます。このコミュニケーション能力は、資格取得のためのカリキュラムでは十分に習得できないことが多く、その人の持って生まれた資質や、人生経験によって培われるものとされます。

 

3. 資格は形式的なものであり、本質的な能力を保証しない

知識と実践のギャップ: 資格取得のための学習は、理論や原則に偏りがちです。しかし、実際の指導現場では、個々のメンバーの個性や、予期せぬトラブルなど、理論通りにいかない状況が頻繁に起こります。机上での知識だけでは対応できないことが多いため、資格は「指導ができること」の保証にはならないという見方です。

多様な指導スタイル: 優れた指導方法には一つの正解がありません。ある選手には厳しい指導が効果的でも、別の選手には励ましや共感が重要となる場合があります。画一的な資格制度では、このような多様な指導スタイルを評価・認証することは困難です。

 

4. 資格が指導の妨げになる可能性

資格の権威に頼る危険性: 資格を持つことで、指導者がその権威に頼り、柔軟な思考や謙虚さを失う可能性があります。常に学び続け、改善しようとする姿勢こそが重要であり、一度取得した資格に安住してしまうことは、かえって指導者としての成長を妨げるという考え方です。

資格取得のためのコストと時間: 資格取得には、多大な時間と費用がかかる場合があります。そのリソースを、実際の指導現場での経験を積むことや、選手・メンバーとの交流に費やす方が、より建設的であるという意見もあります。

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